コラム

世界のビールの特徴!【イギリス編】イギリスのビール文化にふれてみよう! ~エール王国の魅力と代表スタイル~

1. 【はじめに】イギリスは「エール大国」!~

「ビールといえばドイツ!」と思っている人も多いかもしれませんが、実はイギリスもビールの本場。特に“エール”と呼ばれるタイプのビールは、イギリスのパブ文化とともに愛され続けています。

そもそもエールって何?と思った方。エールは“上面発酵”という製法で作られるビールのことで、発酵中に酵母が上に浮いてくるのが特徴です。比較的高い温度(15~25℃)で発酵させるため、香りや味わいが豊か。
一方、日本のビールはほとんどが“ラガー”と呼ばれるタイプ。低温でじっくり発酵させるので、スッキリ飲みやすいのが特徴です。

イギリスでは、この“エール”が主流。古くからパブで親しまれ、今でも国民のソウルドリンクと言える存在なんです。

2. イギリスビールの特徴

イギリスのビール、特にエールには他の国にはない独特の特徴があります。

まず「炭酸が弱め」。日本のビールのようにシュワっとはせず、まろやかな口当たり。これが“ぬるい”と言われる原因でもありますが、実はそれがエールの魅力。炭酸が少ないからこそ、麦芽の甘みやホップの香りをじっくり味わえるんです。

そして温度。キンキンに冷えたビールはあまり出てきません。常温~少し冷たいくらいで提供されるのが普通。これもまた、香りや味をしっかり感じるための工夫なんですね。

さらに、イギリスには「リアルエール」という伝統的なスタイルもあります。これは人工のガスを使わず、自然な発酵だけで炭酸を作る昔ながらの製法。パブの手押しポンプで注ぐ“ハンドポンプ”が有名です。

3. 代表的なビアスタイル紹介

イギリスのビールには個性豊かなスタイルがたくさんあります。いくつか代表的なものを紹介しますね。

◆ ペールエール(Pale Ale)

明るい琥珀色で、ホップの爽やかな香りと程よい苦味が特徴。日本でも人気のスタイルで、クラフトビール好きなら一度は飲んだことがあるはず。

◆ ビター(Bitter)

イギリスのパブでは定番中の定番。名前は“苦い”ですが、実際はそこまで苦くありません。軽めの飲み口で、まさに“日常のビール”という感じ。

◆ ポーター(Porter)

ローストした麦芽の香ばしさがクセになる黒ビール。ほどよい甘みとコクがあって、黒ビール初心者にもおすすめ。

◆ スタウト(Stout)

ポーターをさらに濃厚にしたスタイル。あの有名な「ギネス」もスタウトの一種。クリーミーな泡と濃厚な味わいが魅力です。

4. イギリスならではの「パブ文化」

イギリスといえば「パブ」! 街のあちこちにあるパブは、地元の人たちの憩いの場。ビール好きなら一度は行ってみたいですよね。

パブでは「パイント」という単位でビールを注文します。1パイントは約568ml。日本の中ジョッキよりちょっと多め。たっぷり飲めて大満足です。

パブでは、地元のリアルエールが樽から直接サーブされることも多く、まさに“ここでしか飲めない一杯”を楽しめます。のんびり会話を楽しみながら、ぬるめのエールをちびちび飲むのがイギリス流です。

5. おわりに ~イギリスビールの楽しみ方~

イギリスのビールは、日本のラガーに慣れているとちょっとクセがあるかもしれません。でも、飲めば飲むほど、その奥深さとまろやかさの虜になります。

日本でもイギリスのビールは手に入ります。例えば…

  • フラーズ ロンドンプライド(Fuller’s London Pride):まろやかなペールエール

  • バス ペールエール(Bass Pale Ale):世界最古の商標登録ビール

  • ギネス(Guinness):言わずと知れたアイリッシュスタウト(アイルランドだけどイギリスでも大人気)

ぜひ、イギリスビールの世界に一歩踏み出してみてください! 普段のビールとはひと味違う、豊かな香りとコクがきっとクセになりますよ。